「良い映画」と「悪い映画」

説明するまでもないが、Filmarksという映画に関するソーシャルメディアがある。

ときおりFilmarksで映画への低評価や「つまらなかった」という感想を見ては、映画を受容することの難しさを感じる。というのも、その感想の背景にあるのは、ハリウッド映画のようなエンタメとして人間の生理に基づいた情報の連なりを指向したよどみのない映画のみを「良い映画」とし、それ以外の人間の生理に基づかない退屈な映画は「悪い映画」として受容していることが明白だからだ。

 

もちろん、感想は自由である。それに、エンタメ志向も決して悪くはないし、ハリウッド映画は事実すごい。「顔をクローズアップしたカットを繋げてシーケンスを作ること」や「カット単位を細かくし、1つのカットは最長5秒までとすること」、「勧善懲悪や三幕構成によって物語を生み出して人間の快楽に訴えること」など、映画を通底で支える飽きさせない作法に厳格であり、娯楽作品たらんとする徹底した姿勢があるからこそ世界で受け入れられている。

 

ただ、その感想が前提にしているハリウッド志向を自身でも自覚のないまま価値判断にまで前傾化し、それ以外の軸で作られている映画の受け取り方が分かっていないのであれば、やや勿体無いなと控え目に訂正したい。実は「退屈な映画」も良い映画なんですと。

 

「退屈な映画」はハリウッドの作法と全く相反する方法で撮影されることが多い。長回しや最小限のカットで構成されていたり、決して登場人物の感情を顔で伝えない。ロングショットで空間全体を使うので変化が少ない場合も多々あり、意図も読みにくい。また、静かな映像構成によって弛緩したかに思える間があえて編集されず残されてもおり、単線型のストーリーを感じることもしばしば難しい。

 

観客の生理に訴え、サービス精神を発露することで支持を拡大してきた娯楽作品からすれば、上述した全てが「悪い映画」の特徴として捉えることも可能であり、いわゆる「退屈な映画」に他ならない。しかし、ここで大事なのは、これらが意図された演出であり、また映画を見て退屈に感じては寝てしまうといった状況は決して悪いことでもないということだ。

 

上述した主張の旗振り役でもある、映画監督の濱口竜介は、「映画は人間にとって〈他なるもの〉──エイリアン的存在であり、機械的な無関心で世界を記録するメディアでしかない」と述べ、本来カメラは観客の生理的サイクルに関係なく、ただ映像を映し続けることで、「退屈」にさえ誘う時間を空間化してしまうメディアでもあることを強調している。

 

「退屈な映画」とは、ハリウッド映画が機械としての映画を巧みに隠蔽し、サービス精神に満ちた情報の連鎖で〈退屈〉を抑圧してきたのに対し、映画本来の姿に立ちかえって撮られた映画といえる。

 

映画は人間にとって異質で他性のある存在であればこそ、映画を見て寝てしまうのは娯楽を超えた機械としての映画が目の前に現れてくる幸福な時間でもある。退屈がすなわち悪い訳ではない。

 

以上ここまで読んでも、退屈 =「悪い映画」という人もいるだろう。安心して欲しい。『ベイビーわるきゅーれ』や『ネムルバカ』の監督を務めた阪元裕吾も以下のように発言しているし、決して怒り狂いはしない。それもまた他性なのだから。

 

ここまで書き終わって、僕の考える作品評価や感想は分析美学における「価値最大化説」に近いのかなと思い出した。文学部でもないし、分析美学に慣れ親しんでないのでテクニカルタームを過度に一般化して誤用していたら申し訳ないのだが。

Zineを作りたいと思ってから3年が経ってしまった①

はじめに

表題の通り、今年もZineを作りたいと思うだけで何も行動に移さずに1年が終わってしまった。来年も今年と変わらずZineを作らないんだろうなと他人事に呆けていたのだが、つい先日なんと事態は急変した。

学生時代にzineを作ったり、印刷系のアートワークに強い新卒同期のデザイナーが4月に退職するとのことで、zineを作るなら頼りに頼ろうと思っていた心強い味方の存在がいなくなってしまうことが先日明らかになった。やばい。
ということで、日記の形を借りて作りたいzineの構想を少しずつ進めていきたい。

テーマ決め

まず、テーマはすでに決まっている。『タコスと映画とカブリオレ』と題し、とにかく自分が好きな映画や自分が好きな食べ物、自分の好きなマイカーをいっぱい入れてやろうと考えている。王道的なzine。

昔カンヌでアワードを取った映画に『セックスと嘘とビデオテープ』と題した作品があり、名詞を3つも並べてもスタイリッシュなのは確認済み。さらにPOPEYEで『映画とドーナッツ』と題した特集号もあるので映画と食べ物もなんか良さそうな気がしてくる。

やや難しいのは、タコスだけ映画とカブリオレから離れていて書きづらい。
自分がカブリオレを手にした経緯は『僕が6歳から大人になるまで』や『すずめの戸締り』に絡められるし、運転中にかけるBGMは『デスプルーフ』や『ハロルドとモード』なのでロードムービーの話題を広げやすい。一方で、タコスはただ自分が大好きで日々いかに美味しいタコスを作れるか試行錯誤しているだけ。ちょっと浮いてしまってる。タコスを食べながら映画を見るという強引な建て付けの他にないものか。一旦。保留。

コンテンツ決め

次に、『タコスと映画とカブリオレ』で書けそうな内容を箇条書きでまとめてみる。

・表紙/裏表紙

・カー雑誌みたいにマイカーをかっこよく撮りたい

カブリオレを手にするまでの個人史

・テンションの上がる映画の伴奏曲(運転中におすすめしたい曲)

・ロスの青空を見つけにいく

・大好きなロードムービー

・この映画のクルマがかっこいい(アメリカンニューシネマ期のマスタングとか濱口竜介のサーブ)

・好きな映画本

・家でタコスを食べながら見る映画が最高に幸せ(映画館のスクリーンで見ない/スクリーンに圧倒されない問題/他方で、日常に溶け込んだ映画)

・美味しいタコスの作り方

なお、雑誌は中綴じなら16ページ、無線閉じなら18ページ必要となるのでそれに収まるように項目を取捨選択していく。

台割を作成する

次に、考えないといけないのは雑誌の構成。
具体的に文章を考えたり、素材を探す前に大まかなラフを考えていく。図形単位で配置してみてそれぞれ書く記事にどれくらいの文字数が必要になりそうか、グラフィックは何枚必要かなどを大まかに決めていきたい。
Pinterestや雑誌のサブスクでリファレンスになりそうな構成を参考にしつつ、以下のような感じに。

 

そして、お気づきだろうか?
1/20時点で台割が完成していることに。にもかかわらず、まだこれ以降の進捗は一切ない。

言い訳をすると、今までZineなんだから自己満でいいし、衒学的な文章に終始してもいいじゃないかと考える一方で、読み手に面白いZine、センスのある構成デザイン、面白い作者と思われたいという功名心も引きずっていたがために作業が進まない日々が続いていた。進まないばかりか一旦棚上げして遊んだりしてた。アホ。

そういった事情もあり、見切り発車的に「Zineを作りたいと思って3年が経ってしまった」と題した日記を投稿して自分を追い込んでみてみる。日記を出したら、27歳にしてやっと恥を捨てる、あるいはある種の失敗を清く認めるというスタートラインに立ち、Zine制作を頑張れるんじゃないかという期待を込めて。

記号だけの台割を元に各ページどこにテキストを置いて、どういった加工のどんな形の素材を配置するかなど決めたり、写真素材を探しに行ったり、原稿を執筆したら続きの日記ができるかも?

自分のアクリルスタンドを作ろう!

最近、アイドルや芸人のアクリルスタンドを携えて旅行したり、ご飯のお供にしている投稿をSNSでよく見ますね。微笑ましく思う一方で、推している人がいないがために真似できずひとり悲しい気持ちになりました。

そこで、自分のアクリルスタンドを作ってみました。
こちらが完成形です。

旅先に随行してもらったり、友達にプレゼントしたり、1個800円で部署の人に買ってもらいデスクで見守っていたりとなかなか面白い体験ができました。

 

予想以上に面白かったので、自分アクリルスタンド界隈を更に広げていく一助として、初心者なりに悪戦苦闘したアクリルスタンド発注までの模様をお届けしていきます。

・注意事項

なお、この記事ではPhotoshopを使用していますが、代行業者によっては写真のみや背景透過した人物写真のみで発注できるので必ずしも以下の工程は必要ありません。

ただし、アイドルの物販にあるようなアクリルスタンドにするには、Photoshopが必要不可欠なので「本物」を目指すのであれば是非Photoshopをお勧めします。僕も初心者ですがpsdデータ納品まで漕ぎつけられたのでチャレンジする価値はあります。

・写真の選定と加工

まず、アクリルスタンドにする写真を選定し、背景を透過していきましょう。
驚いたポーズと表情にした方が一緒に撮影する風景や料理も映えるんじゃないかと思って以下のようなひょうきんポーズをしています。

次に、この室内風景を透過していきます。

「クイック選択ツール」で身体をクリックしたら、右クリックで「コピーしてレイヤー作成」を選択してください。簡単に切り抜けます。背景が邪魔だったら「マジック消しゴム」で一旦消してみるのも手です。

また、この工程自体は他の背景透過アプリやAdobe Expressでワンタップで可能なので切り抜きが難しかったら試してみてください。

・入稿条件を確認する

今回お願いした業者さん、「アクリルグッズの達人」の入稿条件を確認します。
気をつけなければいけない点は「モードはCMYKカラーに設定しておくこと」と「白押さえからカットパスの間が 2mm 以上」くらいですね。


前者はアクリルスタンドに出力される色味と同じ条件にしておくと色味のズレが起きないという話で、後者は画像が透けないように「白押さえ」と呼ばれる下地を作成する際にカット位置内に留まるように2mmは空ける必要があるとのこと。
気をつけていきましょう。

・入稿テンプレートに沿って作成を進める

それでは入稿テンプレートに沿って入稿データを埋めていきます。
まず、白おさえを作成していきます。

「クイック選択ツール」で身体を縁とったら、右クリックで「塗りつぶし」を選択してください。これで白おさえは完成です。

最後に、「カットパス」を作成していきましょう。

「ペンツール」を選択してフチを囲みつつ、テンプレートに入っていた台座を差し込む用のカットパスと合体させます。公式サイトで丁寧に解説されていたのでこちらもぜひ一読して下さい。

・発注!

12個程が職場の人に捌けたので部署のデスクや本棚に自分のアクリルスタンドが飾られているカオスな空間になりました。

皆さんもぜひ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

映画の好きなシーン53選

snsでリットン調査団の構図をオマージュした写真が度々バズっているのを見てから、真似したいシチュエーションを趣味でストックするようになりました。今回はその中でも特に好きな映画の構図を紹介します。

1.  公園で四方八方に散り散りになる

映画『セルピコ』(1973年、パラマウント・ピクチャーズ)

この直前のシーンで起きた、汚職警官たちが輪になって詰めるところも好き。

2. 差別的な発言に反対するその他11

映画『12人の怒れる男』(1957年、ユナイテッド・アーティスツ)

結構前に見たので記憶があやふやですが、差別的な発言に対して画像のように背を向けるか、1対11人で固まるシーンが良かった記憶。

3.スクールバスをハイジャックしてキッズたちに歌を強要する

映画『ダーティハリー』(1971年、ワーナー・ブラザース)

バスに乗ってると、絶対そんなことしないのに今バスジャックしたらどうなるんだろうとか考えちゃう。

4.DVDのパッケージになった集合写真

『ブレックファスト・クラブ』(1985年、ユニバーサル・ピクチャーズ)

友達5人集まったらオススメ!

5. 敵対する相手と二人で観覧車に乗る

『第三の男』(1949年、ロンドン・フィルムズ)

昔見た何かのアニメで反目し合う大人が一緒に観覧車に乗るシーンを見た記憶があるんですが、元ネタはこの映画だったんでしょうか。因縁の相手と観覧車、いつかやりたい。

6. 崖に向かって急発進する

映画『テルマ&ルイーズ』(1991年、MGM/パテ・コミュニケーションズ)

『ハロルドとモード』や『さらば青春の光』、『バニシング・ポイント』しかり、これらの映画を見てから死ぬ時は車で大暴走して崖に突っ込みたいし、破滅的な幕仕舞いで自由になりたいと思うように。

7. スラッシャー映画っぽく口に付いたジャムをぬぐう

映画『プロミシング・ヤング・ウーマン』(2020年、フォーカス・フィーチャーズ/ユニバーサル・ピクチャーズ)

人でも殺したんかくらい下手な食べ方。

8. ふともも越しに撮る

映画『卒業』(1967年、ユナイテッド・アーティスツ)

間の抜けた顔も最高!

9. 歩行者の邪魔にならないところで横並びに歩く

映画『ワイルドバンチ』(1969年、ワーナー・ブラザース / セヴン・アーツ)

『アルマゲドン』もそうだけど、覚悟を決めた仲間たちで横並びに歩くのがかっこいい。たいてい通行人の邪魔になるのでハードルは高いがぜひ実現したいところ。

10. トランク越しに撮る

映画『レザボア・ドッグス』(1992年、ミラマックス)

リアゲートの写りが最高!

11. おばあさんに相乗りさせてもらう

映画『ハロルドとモード』(1971年、パラマウント映画)

実際には中々お目にかかれない構図の組み合わせですが、この映画では若者とおばあちゃんが友達になり、恋人になりと盛りだくさんなのでこの他にも好きなシチュエーションでいっぱい。

12. エリック・サティを聴きながら歩道橋をスタスタ歩く

映画『その男、凶暴につき』(1989年、松竹富士)

この映画を見てから歩道橋を歩くのが好きに。

13. 背中にイタズラされたらMみたいに振り向く

映画『M』(1931年、ノイエ・ベルリン映画)

私刑の群集も口笛に「In the Hall of the Mountain King」を吹きながら歩くのも最高です。

14. 可愛げのない聡いガキの面倒を見る

映画『ペーパー・ムーン』(1973年、パラマウント映画)

子供を送り届ける良心はある詐欺師と擦れた賢い子どものバディ。不仲だったのに運転席と助手席とで隣り合うに連れて仲良くなっていく流れにロードムービーの良さがあります。

15. 誰かに名前を聞かれる度にその場の思いつきで「〇〇三十郎」と応える

映画『用心棒』(1961年、東宝)

人から名前を聞かれる度に三船敏郎だったらどう答えるか考えちゃう。

16. ヒト対トラックが生み出すまさかな構図

映画『激突!』(1971年、ユニバーサル・ピクチャーズ)

巨匠スピルバーグの初監督作品。正面で電話をかけている主人公に向かって後ろからトラックが激突してくるシーンは必見!

17. 過剰すぎる国家権力

映画『ブルース・ブラザーズ』(1980年、ユニバーサル・ピクチャーズ)

数が多いだけでこんなおもしろい画になるなんて。

18. 後部座席から身体を乗り出して運転席に話しかける

映画『ナイト・オン・ザ・プラネット』(1991年、ジム・ジャームッシュ・プロダクション/フィンランド・インスティテュート)

この構図ってヘッドレストがないベンチシート車の特権だと思うんですよね。現在ではヘッドレストの義務化が施行されているので簡単には真似できないからこそ羨ましくもあります。この他、共同性と親密性が近接しすぎていない空気感も含めて全編真似したいシーンばかり。

19. 『時の過ぎゆくままに』が聞こえたら「君の瞳に乾杯」

映画『カサブランカ』(1942年、ワーナー・ブラザース)

「君の瞳に乾杯」の元ネタですが、挿入歌『時の過ぎゆくままに』の代表作でもあります。『未来世紀ブラジル』や『20センチュリーウーマン』など他の映画にも度々用いられているのでその度に「君の瞳に乾杯いつかやらなきゃ...」と思い出します。

20. 人生の出囃子、人生のオープニングムービーに使いたい

映画『スナッチ』(2000年、スクリーン・ジェムズ)

おしゃれすぎない抜け感がありがながら、でもかっこいいオープニング。何かのアニメでもオマージュされてましたよね?

21. みんなでこの格好をやりたい

映画『レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ』(1989年、フィンランド映画財団)

シンメトリーな構図やナンセンスなシーンが盛りだくさん。

22. バーで軍艦マーチを口ずさむ

映画『秋刀魚の味』(1962年、松竹)

笠智衆が戦後だからこそのユーモアを炸裂。ユーモアの中に悲壮感もあり、戦中を知らない者には真似できないシチュエーション!

23. 前方のテレビに史実の重大ニュースを流す

映画『大統領の陰謀』(1976年、ワーナー・ブラザース)

後ろで主人公たちが平静に仕事しているのも含めて構図がかっこいい!流れている映像はニクソン再選の様子で後ろの2人はウォーターゲート事件を告発する記事を打っている最中。

24. バスに乗っている時に放心したような顔をする

映画『卒業』(1967年、ユナイテッド・アーティスツ)

一番後ろの座席に座った時にふと将来への不安も感じさせるダスティン・ホフマンたちの神妙な顔ができるかチャレンジしましょう。

25. 布越しで色んな余興をやりたい

映画『オースティン・パワーズ ゴールドメンバー』(2002年、ニュー・ライン・シネマ)

オースティン・パワーズといえば、オープニングの映像や局部を隠すボケなど魅力的な要素がいっぱいあるんですが、中でもカーテン越しの映像が大好き!

26. 階段でまばらに静止する

映画『ノスタルジア』(1983年、リトア映画/RAI)

誰もいない大階段を見ると「(あと10人くらい知り合いがいたらノスタルジアのアレができるのに...)」と思うことも。水の表現も圧巻です。階段といえば、『戦艦ポチョムキン』で有名になった「ポチョムキンの階段」はいつか行きたいところ。

27. 不良のカリスマも昼間は平凡に働いていることを知り、ショックを受ける

映画『さらば青春の光』(1979年、ユニバーサル・ピクチャーズ)

モッズのカリスマもベルボーイとして平凡に働いてることを主人公が目の当たりにしてエキサイトするラストが最高。成熟の裏返しとしての青春の喪失があり、若者であることに終止符を打つきかっかけとなる画像のシーンは必見です。

28. Goodbye 70's, Hello 80's

映画『ブギーナイツ』(1997年、ニュー・ライン・シネマ)

大晦日じゃなくて、アメリカンなNew Year's Eveを祝ってみたい!

29. 縁のある人勢揃いで行進

映画『8 1/2』(1963年、Cineriz)

『アンダーグラウンド』しかり、最後は人生に関わった人勢揃いで終幕!パーティ文化のない日本だと、結婚式くらいしか機会がないの勿体無いですよね。生前葬でハッカニブンノイチみたいな終わりを迎えたいものです。

30. 巨大な円卓で会議する

映画『博士の異常な愛情』(1964年、コロンビア映画)

中華料理屋でも実現可能!映画で度々かかる『When Johnny Comes Marching Home』の象徴的なシーンも原爆でロデオするシーンも見どころたくさん。

31. 鬼教官による新兵訓練

映画『フルメタル・ジャケット』(1987年、ワーナー・ブラザース)

実際、学生時代に寮で先輩とこんなごっこ遊びをした記憶があります。

32. 弓矢に射抜かれそうになる三船敏郎

映画『蜘蛛巣城』(1957年、東宝)

この仰け反るような顔、人生で一度くらいしてみたい。

33. 復讐を果たし、喜び分かち合う

映画『デス・プルーフ in グラインドハウス』(2007年、ミラマックス)

全身で喜びを表してThe ENDするのが最高!

34. クレジットの最中に邪魔してくる

映画『モンキー・ビジネス』(1952年、20世紀フォックス)

古典的なこのひょうきんさが愛らしい!ママタルトの檜原に「『モンキービジネス」のケリーグラントじゃないんだからそんな」から始まる長尺大喜利ツッコミをされたいです。

35. 1個のキャラメルを6等分する

映画『戦場のピアニスト』(2002年、フォーカス・フィーチャーズ)

ユダヤ人ゲットーに収容された主人公たちが家族で一つのキャラメルを分け合うシーンです。

36. 銃で脅す動作より準備にかける時間のほうが長い

映画『現金に体を張れ』(1956年、ユナイテッド・アーティスツ)

銃でドンパチすることが山場だと思われがちなところを、あえてズラしているのがカッコいい。

37. 子どもが親に大人びた対応を取る

映画『大人は判ってくれない』(1959年、レ・フィルム・デュ・キャロッス)

「独立して落ち着いたら静かに話し合いましょう」という言葉を残して家出する少年。

38. 印象的な食べ方をする

映画『エンゼル・ハート』(1987年、トライスター・ピクチャーズ)

人前で挑戦するハードルは高いですが、気をてらった食べ方に憧れます。

39. マフィアの幹部が刑務所で豪勢な料理を振る舞う

映画『グッドフェローズ』(1990年、ワーナー・ブラザース)

下っ端じゃなくて幹部が手料理を作るところも、刑務所で豪華な料理を食べるところも全部大好き。

40. 鏡に映る自分に話しかける

映画『タクシードライバー』(1976年、コロンビア映画)

意外と自然にできそう。

41. 特訓し、階段を駆け上がる

映画『ロッキー』(1976年、ユナイテッド・アーティスツ)

高尾山に登ったときにロッキーぽいことをしている登山客がいて感心しました。

42. 死ぬ時はスローモーション

映画『俺たちに明日はない』(1967年、ワーナー・ブラザース/セヴン・アーツ)

死ぬ時はスロモーションになる演出のリファレンス元は、『俺たちに明日はない』が初めてなんでしょうか?

43. 箱の中身はなんだと声を荒げる

映画『SE7EN』(1995年、ニュー・ライン・シネマ)

amazonの箱が届いたり、貰い物した時に緊迫した表情で声を張り上げたい。

44. 意味深長に聖書を引用する

映画『パルプ・フィクション』(1994年、ミラマックス)

中高がミッション系だったので「主の栄光は天地に満つ。天いと高きところにホザンナ」という一句を決めワードみたいに喋る謎遊びが一時期流行りました。

45. このポーズで記念写真を撮る

映画『スター・ウォーズ』(1977年、20世紀フォックス)

誰がレイア姫やるかで盛り上がること間違いなし。

46. ケーキの中から人が飛び出してくる

『お熱いのがお好き』(1959年、ユナイテッド・アーティスツ)

『雨に唄えば』でもありましたよね。人生で一度はやってみたい。

47. アメリカ人がはっちゃける時にする謎ダンス

映画『ブレックファスト・クラブ』(1985年、ユニバーサル・ピクチャーズ)

はっちゃけ謎ダンスのリファレンスを探しているので、この他にも映画に出てきた謎ダンスがあれば教えてください。

48. スタンガンを打つ/打たれる

映画『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』(2009年、ワーナー・ブラザース)

スタンガンを一度打ってみたいし、打たれてみたいところ。芸人がよく痛がってるけど、テレビの罰ゲームで頻出する電気イスとかが果たしてどれくらい痛いのか。

49. 死体の背に乗ってジェットスキーをする

映画『スイス・アーミー・マン』(2016年、A24)

底の浅い川辺とかだったら『スイス・アーミー・マン』ごっこ出来るのかも。

50. 笑顔でこめかみに拳銃をあてる

映画『ソナチネ』(1993年、松竹富士)

話変わりますが、北野映画の沖縄って良いですよね。沖縄の浜辺に行ったらロシアンルーレットして、狂気的な笑顔やりたい。

51. ルーヴル美術館を9分で全部見てまわる

映画『はなればなれに』(1964年、コロンビア映画/アヌーシュカ・フィルム)

先輩に勧められてゴダール映画を見たはいいものの、笑いどころに不安を覚えては『ドレミファ娘の血は騒ぐ』の方が面白いやなんて愚痴を垂れることもありました。そんななか、『はなればなれに』は分かりやすく面白かったので驚きです。「話すことはないから1分間沈黙しよう」と本当に静かになるシーンや上記のダンスシーン、ルーブル美術館を疾走するシーンなど、どれも真似したいものばかり!

 

52. タバコを二本吸って火を点けてから相手に渡す

映画『情熱の航路』(1942年、20世紀フォックス)

奇しくも同じ年に公開された『アノーラ』と『名もなき者』とで類似した喫煙シーンがありましたが、両者のリファレンス元はこちら。初めてこれを知った時はこんなセクシーな吸い方があったなんてと大興奮。ストーリーも古典的なメロドラマでありながら色褪せないんですよね。灰かぶりからの転身を描くにあたって、主人公が母のパタナーリズムから解放され、そして不倫に頼らなくとも自立して生きていけるようになるという筋書きなのだから驚きです。

53. 十字架にかけられたように銃を構える仕草

映画『ジャイアンツ』(1956年、ワーナー・ブラザース)

残念なことに僕がU-NEXTで見た『ジャイアンツ』には上記のカットはありませんでした。前後しか映ってなかったです。映画の内容といえば南部親父の男らしさと古いモラル・ドーティーを巡った大河ドラマなんですが、とにかくジェームズ・ディーンがカッコ良すぎる。高校生の頃に知っていたら箒やバットで絶対真似していた気がする。

54. 雪が降るなかブランコを漕ぐ

映画『生きる』(1952年、東宝)

早くブランコが似合う初老になりたい。

 

単に好きなシーンと好きで真似したいシーンとで混在していることに書き終わってから気づきました。また時間がある時に別々で50選ずつ取り上げられたらなと思います。

 

 

 

UnityのPhysical Cameraを用いたカメラ演出

Physical Cameraを使って絵作りを考える機会があったので備忘録としてまとめておきます。

Unityでは、カメラワークを作るときに下記のprojectionタイプとFOVを調整さえすれば簡単に演出を整えることができます。この他にCinemaChineやTimelineの利用、適宜コードを書いてより詳細にカメラを調整するのが通例です。

ただし、上記の方法はあくまでUnityエンジニアがカメラの知識を必要せずともカメラを操作できるようになる簡易的な方法であり、他職種のカメラマンと一緒に働くにあたっては適当な方法とはいえません。

 

そこで、出番になるのがPhysical Cameraです。
Physical Cameraにチェックを付けると、Iso感度やレンズオフセットなどカメラの知識に基づいてカメラワークを作ることができるのでUnityに不慣れな人でもカメラワークを実装することができます。いくつか紹介していきます。

・レンズシフト

レンズシフトは、カメラの物理的な移動を伴わずに視野を上下左右に移動させることでゲームシーンの視点を作ることができるパラメーターです。一見すると、物理的な移動の代替方法でしかないなら別にいらないのでは?と疑問に感じると思うので下記の画像を見比べてみてください。

PositionとRotationによる調整

LensShiftによる調整

カメラの座標や角度を直接変更して作った演出とレンズシフトを調整して作った演出とで見比べると、角度を調整した方はパースの歪みが起きていることがわかります。

実はカメラを上向きにするとパースが歪み、画面上部が斜めに収束してしまうので座標や角度のみの絵作りには限界があります。以下に、パースの歪みがより分かりやすい画像を乗せておきます。

このようにパース崩れを回避したい意図や、位置や角度の計算よりもレンズシフトのx軸・y軸のみを変更する方が調整しやすい場面でレンズシフトを利用してみてください。

・FOVとLens Focal Length(焦点距離)

FOVはカメラが捉える視野の広さを示します。
通常のカメラコンポーネントではこの値を角度で直接指定します。一方で、Physical Cameraでは物理的なカメラにおけるレンズとセンサーの間の距離をもとにFOVを計算します。その距離を焦点距離(Lens Focal Length)と言います。焦点距離が短いほど広角になって視野が広がり、逆に焦点距離が長いほど望遠になって視野が狭くなります。

望遠と広角

コスプレイヤーの周囲にいるカメラマンがロケットランチャーみたいなカメラで撮影するのは、この焦点距離を長くして被写体をアップで撮影するためです。

また、Lens Focal Lengthを使用すると、通常のカメラモードと違って現実のレンズの特性を再現できるのでボケ味やセンサーサイズによる影響が演出に表れます。もちろん、ポストプロセスや特定のエミュレーションアセットを用いたら似たような効果を簡単に実装できるのでカメラのパラメーターを調整する方が手間取りそうだったら無視してください。

・レンズ特性に基づく演出づくりを検討してみる

普段カメラコンポーネントは自機の追従やスマホのスクリーンに描画したい3Dオブジェクトが見切れないように実機端末のサイズによって可変する用途で使用しており、レンズ特性に基づく演出の差異を考慮したことはありません。Unity上で再現する前に、今回は映画がどのようにレンズ特性を演出作りに用いているのか少しさらってみます。

 

ケース1 市民ケーン

映画『市民ケーン』(1941年、RKOラジオ映画)より

映画『市民ケーン』(1941年、RKOラジオ映画)より

この画像は、史上最高の映画として呼び声高い『市民ケーン』のワンショットです。この中央の人物はウォール街の大暴落によって全財産を失ったことを告げられました。その結果、手前のテーブルに向かってきたり、奥の窓際に向かって歩いたりと動揺が隠せなくなるのですが、どうでしょう?

 

手前の人物たちと対比するように小さくなったり、大きくなったりしていませんか?
画像だとやや分かりにくいかもしれませんが、焦点距離が小さい広角のカメラワークでは距離感が誇張されるので動画だと目視している以上の速さでサイズが変化しており、動揺というコンテクストを演出によってさらに補完しています。

 

ケース2 卒業

映画『卒業』(1967年、ユナイテッド・アーティスツ)より

この画像は、別の男と結婚間際の恋人に向かって主人公が走っているところです。恋人に向かって必死に走ってるのに画面上はちっとも変化がないため、見ている側はよりハラハラした気持ちにさせられます。

望遠は実際には遠くにある被写体を近くに見せる効果があります。
空間を擬縮させるのでZ軸上の様々な地点にある物事を同じ水平面にある効果があります。その結果、画像のようにどんなに手前に向かって前進しているように見えても絶えず同じ地点、同じ距離感にあるような錯覚を覚えます。

ちなみに、この映画の登場によって後に様々なフィクションで「ちょっと待った!」と言いながら式場に乱入するメロドラマが増えました。

 

以上簡単にカメラの知識についてまとめてみました。
上記映画のような構図やiso感度、ボケ感などをUnityで再現してみる回も後日やってみます。

令和の時代にTSUTAYAでDVDを借りるなんて

表題の通り、初めてTSUTAYAでDVDを借りてきた。まさかストリーミング配信全盛期にDVDを借りるなんて想像だにしなかったので自分自身驚いているし、帰宅してもTSUTAYAに入った高揚感がまだ抜けない。

 

とはいえ、大人になって令和の世にDVDをレンタルすることへの驚きよりも、後述する理由によっていまだにDVDのレンタル業を続けてくれているTSUTAYAへの感謝の念でいっぱいになったことを強調したい。

 

というのも、この数年ずっと見たいと思っていた映画が近所のTSUTAYAにあったのだ。僕にはオンデマンド配信されたら絶対見ようと決めていた映画がいくつかある。

 

・『HANA-BI

・『Ghost World』

・『うなぎ』

・『ベルベット・ゴールドマイン

・『ミツバチのささやき

・『蜘蛛女のキス』

 

パッと箇条書きで思いつく以上の映画はアマプラやネトフリ、U-Nextでサブスク配信、有料配信が開始されたらすぐに見ようと決めていたものばかりでずっと気になっていた作品たち。なのだが、これらの映画がなかなか配信されない。いつか機会があれば見ようと思って気づいたら2,3年も経ってしまっていた始末。絶対配信されないじゃんと理解した。

 

もちろん、配給側がストリーミング配信しない判断をしたのも分かる。そもそも映画というある形式を伴ったメディアを映画館以外で受容することに争点がありそうだし、以前spotifyなどで話題になった配信収益の問題などもあるのかもしれない。

 

総じてストリーミング配信しないことへの逆恨みなどはないのだけども、やっぱり映画をストリーミングで見ることが当たり前になった世の中において、ネット配信されていない映画を視聴するハードルは高い。配信サービスのプラットフォーム下にないと、選択肢の俎上にも上がらなくなってしまうので僕みたいに気づいたら見たいと思って数年経ってたなんてこともよくありそう。

 

そんな配信サービスから捨象されて埋もれてしまった映画を安価に気軽に見たいとなった時に助かったのがTSUTAYAのレンタル業。以前まではDVDレンタル業が下火になっていくニュースなんて他人事に受け止めていたが、大人になってから映画への興味が増してTSUTAYAの顧客になるなんてパターンは意外とあるのかもしれない。

 

このご時世に負けずレンタル業を続けてくれてありがとうと声を大にして言いたい。TSUTAYA、ありがとう…

 

にしても本当にいつぶりだろう?
子供の頃、ポケモンのアニメやジュラシックパークの映画を親にレンタルしてもらって以来のTSUTAYAだったのかな。これからも借りにいこう。

星新一が没にしたアイデアと着想法 〜『できそこない博物館』を読んで

星新一が自身の没作品を紹介しながら、アイデアを小説に落とし込むまでの思考過程を述べたエッセイ本を書いており、これがまたおもしろい。『できそこない博物館』と題しており、星新一のショート・ショートにありそうなタイトルなのもより惹き込まれる。

 

とりわけ、印象深かったのは星新一でもアイデアや表現への不自由さに苦しんでおり、自分が出来ない作風に自覚的であること。思いついたアイデアや書き出し数ページが自身の不得手な要素をはらんでいるとわかると彼はボツにしている。

 

この割り切りと、書いてからおもしろいかつまらないか判別して凡庸なら掲載しないという判断ができることに驚いた。作っていて今回の作品はウケるんじゃないかと毎回思ってしまう自分とは大きく異なるし、ある種のこの割り切り方には著名なクリエイターに共通する姿勢も見て取れる。

 

結局、創作は自由でいかようにもなるものではない。北野武タランティーノも自身がオブセッションされている内容でしかコンテンツを生み出せておらず、作品の構成は常に縛られているといってよい。しかし、彼らはその不自由さによって偉大な作品を生み出し続け、数多のファンを魅了している。

 

星新一の没ネタと掲載作品との間には、その線引きが自覚的に引かれているからこそSF界の巨人であり続けられているようにも読むことができて大変興味深かった。ちなみに、本人が不得手だと言及していたのは、以下の描写を含むものらしい。たしかに、星新一の短編で見かけないものばかり。(筒井康隆は三人の中で星新一が一番性格が悪いとかなんだ述べていた気もするが)

  • ブラックで非倫理
  • エロティック
  • 感情の機微をコアにした心理描写

 

ときに、面白い企画をよく思いつく広告プランナーの知り合いにどうやって着想を得ているのか昔聞いたことがある。すると、彼は複数の単語が表示されるこのサイトこのサイトを見ながら企画を考えているという。このサイト自体も広告プランナー兼エンジニアの人がつくっており、プランナーに共通する着想法なのだと理解したが、読み進めていくと星新一も日頃この着想をやっていることが分かった。

 

星新一は「友情と動物園」、「月賦と暗殺」と果たしてどう結びつけるのか気になる単語を組み合わせ、アイデアに昇華し、面白かったものは作品として書き上げるらしい。とはいえ、単語自体はなんでもいいようだがやはりアイデアに昇華する過程でつい用いてしまうモチーフがあることも自省している。

 

  • 悪魔との取引
  • ロボット
  • タイムマシン
  • テレパシー
  • 貧乏神
  • 星新一が好きな小説家F・ブラウンからの無意識な影響

 

イデアとして昇華するために以上の単語を組み合わせてストーリーに落とし込むことも少なくないようで、引き出しやすい型があることがうかがえる。上述した不自由さによって面白い作品を生み出している話にもつながっていそうだ。

 

この他、意外と陳腐な話を考えてしまっていたり、新聞から落語のようなオチのあるエピソードをよく拾っては切り抜きをとってあったり、アイデアを促すためにいろんなインスピレーションを得ようとしていることがわかっておもしろい。

 

星新一でも最初からストーリーは完成しておらず、打率を上げるために時には没にし、時にはワンアイデアを足して成形することがあると知ることができたのは、クリエイターになりたい市井の人々にもやる気を促してくれるありがたい話といえる。もちろん、星新一は天才なのだけれども。